高齢者に対し介護士がサポートするリハビリと、理学療法士が行うリハビリとでは若干意味合いが異なります。理学療法士のリハビリは、怪我や事故などで日常動作に支障をきたす部位に対し、医学的な観点からサポートを行うのが仕事です。介護士の場合、最終的には高齢者の自立を促すことを目的としたリハビリであり、日常生活動作を無理なくこなせるようサポートしていきます。介護老人保健施設などはその傾向が強く、介護施設で最後を遂げるのではなく、自宅で人生を終えられるようリハビリに専念してもらうのです。
また、取得する資格にも違いがあります。介護福祉士と理学療法士、どちらも国家資格であることに変わりはありませんが、取得する資格によって働ける施設にも違いが生まれるため注意しましょう。介護福祉士の場合、身に付ける知識は主に介護関連のものですが、理学療法士の場合は体のつくりや医学についてより深く掘り下げていきます。その他の違いとしては、リハビリを行う年齢層も異なります。介護福祉士が担当するのはほとんどが高齢者となりますが、理学療法士は若者から高齢者まで幅広い年齢層をカバーします。10代のサポートを行うこともあれば、70代がリハビリを完了できるようアドバイスを送ることもあるのです。どちらも自立した生活を送れることが最終目的ではありますが、その目的に至るまでの過程で様々な違いがあるため、2つの職業の違いを混同しないよう注意しましょう。